こんにちは。「それは手塚漫画が通過済み」が口癖のよしきちです。
漫画が大好き。
手塚治虫と言えば、言わずと知れた漫画の神様ですね。
非常にレアケースだと思いますが「手塚……?知らない」と言う方が居ましたらリンク先で確認して3分以内※に戻ってきてください。
※それ以上見ていると、のめり込んでしまいこちらのことを完全に忘れるからです。
そんなわけで手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』はご存じでしょうか?
私の中では全国民知っていますが、万が一の為に説明を貼っておきます。
ブラック・ジャックは、天才的な外科医で、死の危機にさらされた重症の患者を、いつも奇跡的に助けます。しかしその代価として、いつも莫大な代金を請求するのです。そのため、医学界では、その存在すらも否定されています。
ブラック・ジャック|マンガ|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL
人里離れた荒野の診療所に、自ら命を助けた助手のピノコとともに、ひっそりと暮らすブラック・ジャック。彼の元には、今日も、あらゆる医者から見放された患者たちが、最後の望みを託してやってくるのです。
ブラック・ジャックは数ある手塚作品の中でも圧倒的人気を誇る作品です。
ですが
「漫画だし全て作り話。フィクションだよね?」
そう思ってはいませんか?
いえいえ、そんなことはありません。
なぜなら実際にありえる話だからです。
……それではおまたせしました。
「ブラック・ジャックで見たことある!!」 と叫んだ話、開幕です。
不発弾
20XX年、冬。
当時、新しく導入された装置でワンオペ試験をしていたよしきち。
試験内容をざっくり言うと『金属を数百℃まで加熱し、レーザー顕微鏡で観察する』ってな感じです。
そしてこの試験では、観察対象が今何℃かが非常に重要になるわけで。温度管理が大事なわけで。
温度を測るための準備として観察する試料の端っこに、これまた髪の毛くらいの細さ&長い熱電対を乗っけまして。
※詳しくは下図
熱電対と試料をでっかいピンセットみたいな器具で挟み込み、電気を通してバチン!とやりまして。2つを上手い事くっつける必要があったわけなんですが、これが中々難しい。
直径5mmほどの試料ですが、真ん中は観察面なので触れてはいけません。
ですので端っこギリギリを攻めて狙い撃ちする必要があるんです。
……ちょっと待てよ?どこを持って作業したらいいんだこれ。持つ箇所無いよね?
だいたい手が一本足りなくない???
それでもなんとか上手いこといったら、
びろーんと熱電対を垂らしたこれを、ギリギリ入る大きさの試料台にセットして……
なんだこの繊細さしか無い作業。
修学旅行にて、原爆ドームに捧げるための折り鶴が全く折れず、戦力外通告を受けたことがある女に任せていい仕事じゃない。
そんな感じなのでキー!!キキー!とモンキー丸出しで戦っていたら。
手が滑り、熱電対が砕け散って手にブッ刺さった。
21時を過ぎた、1人きりの試験室。心身ともに疲れ果てていたので「……いたっ」くらいの薄いリアクションでピンセットで除去。
念の為、刺さった部位を顕微鏡(NOT高温)で確認してから引き続き作業をしたとさ。
帰ってきたあいつ
4年後、春。
気が付いたら右手になんか立体感出てきた。
ゴリっとしてる。黒い。
微かに痛い。めっちゃ痛いんじゃない、微かに。
なんか居るだろこれ。
……まさかとは思うけど4年前の???あの時のあいつがまだ生きて?
いや、そんなバカな。4年だぞ……?
右手が疼いてきた、その時世間はゴールデンウイーク。
異物感を抱えつつも予定通り東京に飛び、某イベントに参加するよしきち。
イベントで会った知人たちに手を見て貰うと
「確実に何かしら塊がある」
「病院行け」
「何を封じ込めてるの?」
「医者行け」
そんな感じの声しか聞こえない。
こうなるとどんどん気になってくるし、嫌なボディピアスに思えてきた。
このままだと進化してミギーみたいになるのでは?
共存できるかしら?
いや、人間こそが地球の寄生獣じゃないのか?
そんな懸念まで出てくる。
「……じゃあさっさと病院に行けばいいじゃん」
「答え出てますよね?」
読んでいてそう思うだろう。
書いていて私もそう思う。
じゃあなんでウダウダ言っているのか?
それは
掻っ捌いて 肉を開いて 出す
そんな単純且つ、蛮族じみた医療行為になるのが目に見えているからである。
異物感はめちゃくちゃ気になる。でも捌くのは怖い。
捌く……捌かない……切り裂く……このまま……。
どっちも嫌だ。
寝たふりしてる間に出て行ってくれ。
結局滞在中ずっと悩んでいたものの、帰りの飛行機で例の箇所に触れると、
かなりイヤな感じがする。
なんだか痛みが増してきた気もする。
『……共存は無理だな』
このまま一緒に居られない。
ミギー(候補)との別れを決意し、即病院を探すことにしたのであった。
医者はどこだ
翌朝。
病院は徒歩10分の場所にあった。
ゴールデンウィークの中日だったので営業もしていた。
渡りに船だ。行くしかない。
それでも嫌なものは嫌だ。歩いて10分の距離が滅茶苦茶長く感じる。
掌をパン!とやってボン!と地につけたら出ていかないかな、この塊。
……出ない。
仕方ないから腹を括り来院だ。
「今日はどうされましたか」
「手を捌いてください!!!」
「一旦落ち着いて?」
勢いが良過ぎたので仕切り直し。
「かくかくしかじか」
経緯を説明したらまず触診。レントゲンとかじゃないらしい。
「なるほど、確かに何かしらありそうな感じですね」
「と、なると?」
レーザーで砕いたりとかできないかと期待するも。
「捌く他無いですね」
「やっぱり捌くのか~」
「それしかないです。簡単な手術になります」
ホスピタル
てきぱきと看護師さんに麻酔の準備を指示し、違う部屋へと案内される。
ひんやりした部屋。すさまじい緊張感。
もう帰りたい。
なにこのベッド。患者を寝かせて腕を固定して?
完全に今から薬物注射で処される感じなのでは?
看護師さんが入ってきたぞ。
「麻酔するんでベッドに横になってくださいね~」
「もしかしなくても麻酔って手に打ちますよね?」
※昔、指が大変なことになってゴリゴリ縫われたことがある
「もちろん手ですね~」
「意識飛ぶレベル打って欲しい」
「ダメです」
手に注射をするって 痛いんだなあ。よしを。
「麻酔効いてきました?ここ触って感覚は?」
「触られる感じはしますけど感覚はないです」
「大丈夫そうですね」
「あ、もしかして麻酔の威力、これでマックスですか」
【笑顔】
「マックスですね」
~医者再び登場~
「じゃあよろしくおねがいします」
「よ゛ろ゛し゛く゛て゛す゛ぅ゛……」
2人に阻まれて見えない右手。そして何かされてる感覚。
切られてる感覚が気持ち悪い。あとどうしたって痛い。
でも以前指を縫われた時よりはマシだなあと天井を見る。
「知らない天井だ」
「エヴァね~」
ときには真珠のように
単純な手術だったので、印入れてズバーっと切って貰ってですね。
2人の声が響いたんです。
「うわ~これは……」
「ありましたね~」
「とにかく痛い」
やはり予想通り熱電対があったか。
捌かれ損にならなくて済んで良かったな~。
「よしきちさん、これ」
「米粒?なんで?」
何故かそれを切り始める医者。
「切るんだ……」
「これ、見てください」
「ブラック・ジャックで見たことある!!」
「こんな感じのやつブラック・ジャックでありましたよね」
「本当、ブラック・ジャックみたいね」
「考えること皆同じ」
~切った痕を縫合中~
「刺さっていた熱電対が体内で悪さをしないように
コーティングされていたんですかねえ。身体って良く出来てる」
「完全にブラック・ジャックと一緒やん」
「あの……これ、貰ってもいいですか?」
「どうぞ……」(何のために?)
しめくくり
そして……。
捌いたあとを縫って貰いまして。
※傷口注意!!!※
徐々に治っていきまして。
絆創膏で済む傷口になり
今はこんな感じです。切った跡が解らない、治癒力ってすごい
そしてブラック・ジャックは最高なので「ちゃんと読んだことがないよ~」って方は是非読んでください。
一から読めるのハチャメチャに羨ましい。
因みに今回の記事のサブタイトルは全部ブラック・ジャックからです。
とにかく読んで欲しい。
個人的には豪華版が重厚感もありおすすめです。
~fin~
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